2016/04/28

ティマンファヤ国立公園(Parque Nacional de Timanfaya)

 ランサローテは他のカナリア諸島の島々と比べて小さめな島ですが、見どころが一番多いことで知られています。
そんなポイントを少しずつ紹介していこうと思います。


ティマンファヤ国立公園 (Parque Nacional de Timanfaya)

 ランサローテに着いたら誰もが向かう観光スポットと言えます。
スペイン国内で15か所ある国立公園の中で、年間訪問者は第三位。

ここは18世紀と19世紀に起きた火山活動により出来上がった溶岩台地で、バスで周る見学コースがあります。

バスの発着地点までは車で行けるのですが、その先は車両の乗り入れは禁止されています。
まずは入り口で車に乗ったまま入場料を払い、バスの出発地点まで進みます。

バスは9時から17時まで (7~9月は18時まで) 定期的に出ており、所要時間は約40分。
スペイン語、英語、ドイツ語の順に音声による説明があります。


公園に入るまでの景色も壮大なものですが、バスからの眺めは実に素晴らしいものでした。
溶け出した溶岩の流れまできれいに見れます。


溶岩によってできた洞窟の上部


溶岩の層としずくが見れる!こういったポイントではバスは停車しじっくり見せてくれます。


地球にいるとは思えない。まるで月または火星にいるかのよう。


大きな岩ばかりがゴロゴロとしてると思いきや、砂漠のような一面も見られます。よく見ると火山礫 (かざんれき) です。
長い年月をかけて這い上がってきた強い植物も見られました。


 大迫力のカルデラも見ることができます。


これは駐車場やレストランのあるバスの発着地点。


この付近はMontañas de fuego” (火の山々) と呼ばれており、現在でも火山の熱が地上付近まで届いています。


バスツアーが終わると、興味深いショーが見られます。
掘った穴に水を入れると、地熱により一瞬にして沸騰して空高く吹き上げる様子を見ることができます。

これは見事!


続きまして、すぐ隣では別のショーを。
まずはここに積まれた干し草を運ぶところから。


2メートルほど掘られた穴に干し草を入れると、あっという間に煙が立ちました。


乾草を入れてからものの10秒で燃え上がりました。


係りの方に、すぐそばの石を触ってごらんと言われ触ってみるも、熱くて触れたものではありません。



お隣にはこの地熱を利用した火山グリルがいただけるレストランがあります!
その名は "El Diablo" 、悪魔という意味。

こうして焼かれます。

遠目では本当にこんなので焼けるの!?と思ったのですが、近づいてみるとその熱は想像を遥かに超えていました。

真上でカメラを構えたら、熱い、熱い!カメラが溶けるのではないかと思ったぐらい。



レストランは ランサローテ出身の芸術家、セサル・マンリケ氏によってプロデュースされたガラス張りの空間。


 ランサローテといえばウサギと言われているほどなので、試してみました。
メニューに書いてあった”ウサギの半身”とは思えないこの量。
このボリュームが ランサローテのウサギなんだそう。痩せたウサギしか食べたことがなかったので驚きました。
今まで食べた中で一番のおいしさ!


大自然を見ながら、天然の熱で調理されたグリルのランチは最高でした!



この後場所を変え、ヒトコブラクダに乗り火山地帯を見学しました。
次回記事にしたいと思います。

2016/04/25

波のメカニズム

海で毎日のように泳ぐようになり海の知識が必要となり、前回前々回は潮について学んだことをまとめました。

今回は波についてです。


毎日海を観察して、普段起きている波には2種類あることに気づきました。

水面にたくさん見えるごく小さな波
遠くからやってきて海岸に勢いよく打ち寄せる大きな波


私はこれらを”風の波”(①)”うねりの波”(②) と呼んでいます。
実際にはスペイン語でそれぞれ”Mar de viento”、”Mar de fondo”と呼んでいるわけですが。


まず、”風の波”は入浴中に水面に息を吹きかけると起こるしくみと同じで、その場で吹いている風の力によって海面がデコボコになりできる小さな波。

”うねりの波”は遠くの海域で風によって起こされた波が長距離で伝わってきた波。
それに、地球と月の位置関係が刻々と変化することにより海水が動かされ起こります。(海水の動きのしくみはここで説明)



それぞれ写真ではこう写ります。


”風の波”
強風の日に撮影。細かい波が次々にやってきました。
水面上に吹いている風が強くなるほど高さは大きくなり見た目の形状も変化します。


上空からはこんな風に見えます。こちらも強風の日に撮影。




”うねりの波”
いわゆるサーファーの好む波。
うねりのスピードはとても速く、時速50km以上に達することもあります。


”うねりの波”は海岸に打ち寄せて水柱 (水煙、または波柱とも言う) を上げることもあります。
 遠くの海岸で白くなっているのが水柱。



こう見ると波は実に恐ろしい。



”風の波”は泳いでいると顔にぴちゃぴちゃと当たり不愉快になる程度ですが、”うねりの波”は体ごと持っていかれますので泳げたものではありませんので、波予測を調べてから海に出るようにしています。
ちなみに潮の干満差を予測する潮汐率とは違い、波の予測は72時間までしか出せないようです。



上記に挙げたのは日常の波ですが、地震や台風、海底火山が起こす波のことを考えると海は本当に恐ろしい、絶対になめてはならぬ存在だと改めて感じました。



グラシオサ島から ランサローテ島を眺める形で撮影。

波のない海は、安らぎ、更なるポジティブ思考、ひらめきを与えてくれます。




2016/04/18

潮の干満のメカニズム

前回は潮について学んだこと、主に潮汐率について書きましたが、今回は なぜ潮の満ち引きが起こるのか大潮と小潮はなぜ起こるのか 等、潮のメカニズムを天文学を交えてご紹介。

→前回の記事はこちらから


潮の満ち引きはなぜ起こるか?


主に月が地球に及ぼす引力によって起こる。

月に面した海は月の引力によって月のある方へと引き寄せられ”満ち潮”となり、その反対側は引力の影響は弱いが、地球の自転の遠心力などにより、こちらも”満ち潮”になる。
そして、海水の少なくなるところは”引き潮”となる。



大潮と小塩はなぜ起こるか?


それは太陽の引力によるもの。

まず初めに、

大潮 とは ”干潮と満潮の高低差が一番大きい状態”。
小潮 とは ”干潮と満潮の高低差が一番小さい状態”。


”月 - 地球 - 太陽” が一直線上に並ぶとき (満月・新月) に 大潮 となり、
”月 - 地球 - 太陽” が直角の関係に並ぶとき (半月) に 小潮となる。

※太陽の引力は月の引力の半分弱。



ではなぜ潮汐率が高くなるのは春と秋なのか?


潮汐率 とは ”大気現象による影響を無視して、赤経、赤緯、視差、天体と地球の位置関係により満潮と干潮の振幅を予測して表される数値”で、地球上どこでも値は同じ。
→詳しくはこちらで説明しています。

地球は約23.43度に傾いているため、ちょうど春分の日と秋分の日に、太陽の赤緯が0になる。この時により引力の影響を受ける。

それに月の朔望リズムか絡み、春分や秋分前後に潮汐率が高くなる。



日本周辺は、月や太陽の影響に加え気圧の影響も大きくなるので、必ずしも春分や秋分の頃に干満の差が最も激しくなるとは限らない。




宇宙が私たちの住む地球に及ぼす影響の大きさを、海で泳ぎながら日々感じています。
毎日海で泳いでいると、そろそろ満月に近づいていくなぁなどと分かるようになるのです。


次回は波について語りたいと思います。




2016/04/16

潮について学んだこと

カナリア諸島に引っ越すまでは海にほとんど関心がなかったのですが、引っ越してから水泳とサーフィンを始めたことによりほぼ毎日海に出かけるようになり、潮や波の知識を手に入れなくてはならなくなりました。


学んだことをここにいろいろと挙げてみようと思います。


今回はまず、 潮について 


■一日2回、満潮と干潮がやってくる。


■満潮から次の満潮まで(あるいは干潮から次の干潮まで)の周期はおよそ12時間25分。
→つまり、干満の時刻は毎日約50分ずつ遅れてゆく。


■満潮 (あるいは干潮) だからといって毎回同じ潮位になるわけではなく、潮汐率は都度異なる。

潮汐率とは ******************

日本ではあまり使われていないようですが、世の中には潮汐率 (ちょうせきりつ) というものが存在し、その数値が海に出かける際に大変役に立ちます。

潮汐 (ちょうせき) とは月および太陽の引力によって起こる海面の周期的昇降 (これについては後日詳しく書きます)、すなわち”潮の干満”のこと。

潮汐率とは、”大気現象による影響を無視して、赤経、赤緯 (どちらも天体の位置を表す値) 、視差、天体と地球の位置関係により満潮と干潮の振幅を予測して表される数値”で、最高潮汐率は118

地球上どこでも潮汐率の値は同じだが、実際の振幅は観測地点やその地形により大きく異なる。
死海やカスピ海といった閉じた海ではほぼ振幅が見られず、遠洋では緩やかだが、海岸に向けてその程度はかなり増幅する。


これは2016年の潮汐率の表。

4月7日は午前も午後も 潮汐率が今年一番高い、つまり”今年一番干満の差が激しくなる”と言われる日でした。
その値は115。(最高潮汐率は118)。
ちなみに今年潮汐率が一番低いのは3月2日(午前)、9月9日(午後)と10日(午前)でその値は36

****************************


 ランサローテ島にある海に面した天然プールの写真で干満の違いをご紹介。


①潮汐率が今年最も高いと予測された4月7日 (潮汐率115) の干潮時 (08:12)。
潮位は マイナス1.70メートル。プールには水はほとんどありません。



②約6時間後 (14:27) の満潮時
 潮位1.80メートル。岩の壁がほとんど見えません。




③ちなみにこれは潮汐率46という穏やかな振幅が予測された際の満潮時
 潮位は60センチ。これ以上は上がりません。



同じ場所とは思えない違いを見せてくれます。
もちろん潮汐率で表される数値に大気現象や気圧、気温などが絡み潮にも影響が出るわけですが。


潮汐率 115 の2016年4月7日 (地球上どこでも同じ値) の ランサローテ東海岸の干満差は3.50メートルなのに対し、日本の太平洋側の海岸の干満差は約2.20メートル日本海岸の干満差は僅か30センチ

年間を通じて最大の変化がたったの30センチの日本海岸に泳ぎに行っていた私は、どおりでこれまで潮の満ち引きに関心が持てなかったわけだ。


ちなみに干満の差が大きいことで有名な九州北西部の有明海の同日の差は5.50メートルでした。


世界一の潮の干満差が見られるのは カナダのファンディ湾 (Bay of Fundy) で、その差は17メートルもあるそう。これはビル5階分にもなる高さです。



かの有名な モンサンミシェル のある サン・マロ湾 の最大干満差は 15.50メートルと言われています。


潮って実に興味深い。



次回はなぜ潮の満ち引きが起こるかを説明しようと思います。